2018年7月29日日曜日

産地見学vol.2 カラー(土耕栽培)(1)

スッと伸びたステム(茎)が最大の特徴のお花。
初めて花屋で見た時には、
そのステムの長さと太さに衝撃を受けました。

当時は白が主流で、
上品で凛とした立ち姿は1本でも十分に美しいですが
束ねるとゴージャス!の一言

そんな私の大好きなお花のひとつ・・・

【カラー】サトイモ科  南アフリカ原産

前回のアンスリュームと同じサトイモ科です。
言われてみると確かに似ていますよね?

カラーは湿地(水耕栽培)畑地(土耕栽培)2種類の生産方法があります。
今回は主に土耕栽培で生産されている福島県へ行って来ました。



磐梯山を車中の窓から眺めながら移動。
どこまでも続く青空の
山と緑たくさんの素晴らしい環境で、空気も美味しい。

しかし・・・
連日猛暑が続いていて、この日の福島も35℃を超えていました。
そんな暑い中出迎えてくださった



安達寿人さん
福島県猪苗代で20年間、
16棟のハウスで20品種ほどお一人で生産されています。
とても社交的で明るくて笑顔が素敵な生産者さんです。

ハウスは外温と同じ状態で40パーセント遮光ネットで調節しています。

今年は、とても暑くて成長も早いそうです。
天候で開花が大きく左右されるのは
生産者さんの悩みどころで、ご苦労も多いと思います。

カラーの根元には
もみ殻が敷き詰められていて、
歩くとほわほわ気持ち良い。

もみ殻を使うのは
水分の維持と乾燥を抑えるため、
雑草が生えないようにするためです。

もみ殻の下は育ち安さを一番に考えられた土が使われています。
肥料は使わず、元肥のみです。

水やりは手動、つまり手で行います。
お一人でこの作業はものすごい労力です。













ハウス内のカラーは色とりどりでした。
好きな品種は?
の問いかけに・・・
トリニティやオデオン

理由はオレンジ色が好きだから。
ハウスに黄色オレンジ色のカラーが多いのに納得です。

カラー=白
このイメージが強い方も多くいらっしゃると思いますが、
ここ猪苗代は昼夜の寒暖差による
発色の良さ多彩な品種を強みにしています。

栽培の時の注意点として
アザミウマ、コガネムシ、アブラムシなどの虫達。
綺麗なお花をパクパク食べちゃいます。

一番厄介なのは、軟腐病。
これは、細菌性の病気で高温多湿の時期に植物に発生するメジャーな病気の一つ。
茎や株が柔らかくなって腐った状態。
特有の嫌な匂いも発生します。

毎年3割ほどかかる為、球根をオランダから毎年3000球ほど仕入れています。

ハウスには1万5~6千球の球根が植わっています。
植え付けて1ヵ月ほどで花開きます。
5月連休くらいから植え付けを開始して、
10月くらいまで採花しています。

















そして冬前に球根を堀り上げて、
もみ殻のベッドに埋め込んで越冬させます。













安達寿人さんのハウスで新しい品種の試作育成をしていました。

名前はまだないので、福島1号、2号、3号。














世に出てくるのが今からとても楽しみです。





今がとても美しいカラー。
お気に入りの色を見つけてみませんか?

お家で飾る時は浅水がおすすめです!


つづく


2018年7月18日水曜日

産地見学vol.1 アンスリューム

花屋の店先には色々なお花が並びます。
お花1本1本、生産者さんの愛情をたっぷり受けて大切に育てられて、私達の手元に届けられます。
そんな生産者さん達の素顔を覗きに行って、たくさんの方にお花をもっと身近に感じて欲しい!と産地見学の備忘録ともいうべき人生初のブログを作成致しました。
どんな環境でどんな風に育てられているのか?
これからどんどん発信していきたいと思います。

記念すべき1回目は…

【アンスリューム】和名ベニウチワ   サトイモ科

大佐和花卉園さん

千葉県富津市で50年に渡りアンスリューム一筋で20種ほど生産しています。
輸入が多い中、国内で生産されているのはなんと3件のみ!
国産アンスリュームは貴重な存在なのです。



社長の平野圭祐さん
物腰柔らかく穏やかな方です。
ハワイで1年、アンスリュームの勉強をされました。
アンスリュームを語ると熱いです!



踏切超えてハウスからハウスへ移動。
ハウスは18棟。2000坪の広さです。

ハウスの中は強い日差しが当たると花や葉が焼けてしまうので、白いシートで遮光しています。夏はさらに黒いシートをかけます。

品種によって温度を変えるそうですが、適温は25℃くらいで管理されています。





オランダから輸入されている苗達。
全てのアンスリュームが1株1株鉢植えです。
これはキサントモナス(細菌)という恐ろしい病気が万が一発生しても被害を最小限に抑える為です。
この病気でハウス全体がダメになった事もあるそうです。
鉢の周りの石は保温効果があり、自然の物を使ってきちんと計算されている所がまた凄いなぁと感心しました。
アンスリュームは定植して成長させて2年半ほどで採花して出荷します。
1株からは1年間で花は4~6本、葉も4~6枚採花出来ます。
十分育ってから出荷するため、花もちは最高です!




定番の赤いアンスリュームのハウスから次々と案内して頂きました。
平野圭祐さんのアンスリュームは立体的で表情が全て違います。
つやつやピカピカで発色も素晴らしいのが特徴です。




私が一目惚れしたロックセット!
思わず感嘆の声をあげちゃいました!
パープル好きの私にはたまらない色!艶!
上品でいて色気も漂う素晴らしく美しいアンスリュームです。




私の手や顔が隠れちゃうくらい大きなオバケアンスリューム。
背も1メートル以上あるものもありました。



 


現地に行った者の特権ともいうべき、出荷されていないアンスリューム達を見させて頂きました。
テンションMAX!ニヤニヤ止まりませんでした。
原種系のアンスリューム達。





とにかく・・・

格好良い!の一言です。
今まで見た事ないものばかりで、言われないとアンスリュームだとわからないものもありました。
奥の深いアンスリューム
知れば知るほどその魅力に引き込まれていきます。


アンスリュームは夏のお花のイメージが強いですが、
日本の夏の暑さにはそんなに強くないので、株を少しお休みさせます。
株の夏休みですね。





平野圭祐さんのアンスリュームを扱う時の仕草が
まるで宝物を扱うように優しくそっと触れていて、
こちらにまでアンスリュームに対する愛情がバシバシと伝わってきました。
それは梱包にも現われていて、傷がつかないように1本1本とても丁寧です。
1ケースに20分ほどかかるそうです。





平野圭祐さんお気に入りのアンスリュームは?
の問いかけに・・・

プレミア
とのお返事。



理由は・・・
栽培がとても難しくて、プレミアを良い状態に持っていければ他のアンスリューム達も元気になるから。

向上心も凄いですが、つねに前向きな考え方で見習わせて頂きたいことだらけです。

※お店でアンスリュームを購入する際には、がくの部分に艶があり、持った時に重さのあるものを選ぶと良いです。
持った時に、がくの部分が傷つきやすいので注意しましょう。


アンスリュームは、他の花より気孔が少ないために飲む水の量は少ない方です。
飾る時は、浅水(切り口から5cm上くらい)がオススメです。
節がないぶん、水を上げやすいので切り口が茶色になったら白い所が見える位置まで切り戻しをしてください。←長く楽しむ秘訣


そして・・・
活力剤や栄養剤は不要なのです!
これはお財布に優しいですね!



平野圭祐さより一言
年間飾れるトロピカルフラワー
花瓶の水が汚れないアンスリュームを飾ってみて下さい!


株式会社ブルーミスト オランダ屋 全店舗にて

27日~
平野圭祐さんのアンスリュームフェア開催予定です。


















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